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株式会社NEKO-KENは「中小企業・零細企業の倒産を防ぐ為のコンサルタント会社」です。

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【ヤミ金・悪徳業者に対抗するためのヒント】HEADLINE

■■■ 広告にダマされるな! ■■■

 スポーツ新聞やパチンコ雑誌、週刊誌、それに電話ボックスや電柱・・・。ここには無数の貸金業者の広告が掲載されていますね。 今回は、これらの広告の簡単な見分け方(基本編)を伝授します。

1.登録番号

 「都(1)-XXXXX」というのは、東京都(庁)の貸金業課に登録した番号の事で、都(1)xxxxxはまだ登録して3年未満のホヤホヤ。 都(2)xxxxxは3年おきの登録を1回更新したので、3年以上経っている。 このカッコ内の数字が大きいほど登録年月が長いので、安心度が高いといえる。 しかし、中にはウソの登録番号を書いていたりする場合も多い ので要注意。 これら都道府県知事登録の業者は比較的小規模の所が多い。 「関東財務(6)XXXXX」など、財務局レベルになると、比較的大手が多い。 ちなみに東京で は、都(1)クラスはほとんどが違法金利(10日で1-3割の利息)を取っているといわれている。 (実際私が昔ヒドイ目に遭ったところは全て都(1)で、中には都(6)もいた。)

2.「電話1本で500万円即日融資」

 こういう宣伝文句を使っている所は、紹介屋(他の金融業者へ借りにいかせて紹介料をぼったくる所)や、買取屋(クレジットカードを持参させて、ショッピング限度枠いっぱいに買い物をさせ、それを安く換金させる業者)、トイチ(10日で1割の利息) 、トサン(10日で3割)などが多い。 甘い言葉に誘われて一度申込みに行ったら最後、 骨の髄までしゃぶり尽くされる。 申込みするだけでもダメ。 申込書に書いたデータが名簿屋に売られて、その後アヤシイDMが山のようにくる事も多い。

3.「独自審査」

 確かに独自な審査ですね(笑)。彼らはハイリスク覚悟でハイリターン(暴利)を得ようとしているので、ブラックリストに載っていても、 破産歴があっても平気で貸す所が多い。 その変わり、利息は超法外。 回収の手口もものすごくコワイ。 しかも実際に貸し付ける金額はごくわずかで、仲間の系列会社に何軒も貸すように仕向ける。

4.「低利一本化」

 無名の都(1)業者で甘いおとり広告を謳う業者だとしたら、低利一本化なんて真っ赤なウソ。 ただの誘い文句。 実際申し込みに行ったら、 切羽詰まった申込者の弱みにつけ込んで、どえらい高金利をつけられる。あるいは紹介屋。

(メールマガジン2001年第4号より抜粋、一部加筆修正)

■■■ 「低利一本化」「即日融資」のうまい話には簡単に乗るな! ■■■

 以前メールマガジンで、借り換えのいろいろな方法について紹介した所、大変多くの方から質問や相談がきました。 中には「実際に役所や銀行に行ってみたら、どうにかうまく借り出す事ができた」という嬉しい報告もありましたが、一番多かったのが「結局役所も銀行も何をやってもダメだった」とか、「○○というコンサルタントが融資斡旋しているが大丈夫でしょうか?」とか「どこか債務一本化してくれる業者を教えて下さい。」とかいった切羽詰ったものです。 こういったメールは今でも毎日の様に来ています。

 私も借り換えを望むその気持ちは痛いほどよくわかります。 しかし何度も言っていますが、借り換えで現在の債務をそのまま返済にあてても、決して良い事はありません。 一時的に楽にはなりますが、またすぐに債務が膨れ上がるのは目に見えています。 これは「借金依存症」という、一種の病気ともいえます。 あなたは借金に依存する体質が染み付いているのです。 それをどこかでバッサリと断ち切る必要があります。

 一番いいのは、「借りて返す」という発想を捨てて、気持ちを切り替えて、「現在の借金を、整理して、あるいは交渉して減額する事」です。 現在の収入の範囲内で、無理のない返済方法に組み直してもらうのです。 利息もできるだけ安くまけてもらうのです。 そのための話し合いの方法は、弁護士を通じて行うのが一番確実ですが(これを任意整理という)、他にも自分で比較的簡単・確実にできる「特定調停」という制度もありますし、また交渉力に自信があれば自分ひとりで業者と減額交渉する事もできます。

 一番いけないのは、「債務一本化します」といううまい広告に目がくらんで、悪質業者に引っかかってしまう事です。 これに引っかかってしまったら最後、骨の髄までしゃぶり尽くされますのでくれぐれも注意して下さい。

 例えば、こんな広告には特に注意して下さい。

(1) 『債務一本化 − 低利10%、秘密厳守、独自の審査、500万円まで即OK、無担保無保証』

→ これは典型的なおとり広告です。 低利10%、500万円まで即OKというのは完全なウソで、電話申し込み時点で「審査に通りました!」と言いますが、実際に印鑑を持って契約に行ってみると、「あなたはやはり他社借入が多すぎるので貸せない。10日で3割、10万円なら何とか貸せるがどうか?」 などとひっくり返ります。 もしくは、「うちでは貸せないが、よその業者を紹介するので、うちには紹介料をくれればいい」といって、他社を何社も回らせて(それもサラ金や悪質業者ばかり)、その上、紹介料として借入額の2−3割を取るといった業者です。
 こんなのに引っかかってしまったらもう終わりです。 (それでも助かる方法はありますが、最初から手を出さないのが賢明です。)

(2) 『無料で多重債務の相談に乗ります。 また必要に応じて融資の斡旋や融資もします』

→ インターネットで時々見かける多重債務者救済相談のページです。 中にはかなり悪質な所もあるので、気になる部分を一つ一つ検証してみましょう。

 まず、無料相談
 これ自体は何の問題もありません。 しかし、無料と言っておいて実際にはいろいろな目重くでお金を取ったり、高額の契約を迫られたりすることがあるので、そういう場合は絶対に突っぱねてください。押しに負けて契約書にハンコを押したりしないよう、ハンコなど持って行かないで相談に行ってください。

 次に、融資斡旋や実際に融資を行う事について。
 お金を貸すことを業とするには、貸金業登録が必要です。 登録業者でなければ刑罰の対象になります。
 斡旋も同様に登録が必要です。 斡旋料を取るかどうか確認して、取るなら登録業者かどうか確認して下さい。 斡旋料を取らないなら、ただのボランティアなので違法にはならないと思いますが、何か裏があることが多いので警戒して下さい。 タダほど高いものはありません。何か目的があるはずです。 (紹介先の悪徳専門家からバックマージンをもらっていたり、何か他の物を売りつけたり、新興宗教の勧誘だったり、疑いだしたらキリがありません。)

 また、ちょっと微妙なところでは、たとえば金融機関から融資を受けやすくできる方法を教えるといったものがあります。
  この程度なら通常は問題ありませんが、もし成功報酬がバカ高かったり、文書偽造や粉飾決算をさせるような手口のところだったりしたら、非常に問題がありますね。最悪の場合はあなた自身も逮捕されてしまう恐れがあります。

 要は、うまい話には裏があると思って疑ってかかる事。 費用や条件等の事前確認をキッチリと行う事。 基本中の基本ですね。

* 余談ですが、私は以前カネに困り果てていたある時期に、某ネットオークションで見かけた『経営者必見!確実に公的融資を引き出すノウハウ満載』 といった出品に飛びついた事があります。 1万円即決でした。 しかし、送られてきたのは、ペラペラのワープロ文書1枚と、公的金融機関の店頭に置いてあるパンフレットのコピーだけでした。 トホホ・・・

■■■ ヤミ金対策 ■■■

注: 私が債務整理をしていた1999−2000年頃は、ヤミ金の事を「マチ金」「トイチ」「短期」「システム金融」などと呼んでいましたが、2002年ごろからヤミ金が社会問題化し、「ヤミ金」という呼び方が定着してきましたので、私もこれに合わせて、2002年ごろから徐々に、違法金利を取っている業者のことをすべて「ヤミ金」と呼ぶようになりました。ここでは一部、古い表現のままになっています。ご了承下さい。

 年末になって、街金(闇金)業者の被害の相談が相次いでいます。

 2001年現在、東京都知事に認可を受けている金融業者は都内に6000件以上るといわれており、これらの大部分が、いわゆる違法金融業者(トイチ、トサン、システム金融、紹介屋、買取屋、車で融資、など)であると言われています。

 彼等の手口は、昔も今もあまり変わりません。 スポーツ新聞やタウンページ、路上看板など、比較的広告費の安い媒体を利用して、「即日融資」「低利一本化」「ブラックの方でもOK」などと、誰でも気軽に安い金利で借りられるようなイメージのおとり広告を出して客を誘います。 また、大手サラ金や信販会社などから流出した顧客名簿を買取り、それを元にDMを送りまくり、やはり甘い広告で顧客を誘います。

 広告では非常に親切で親身に相談に乗ってくれそうなイメージですが、いざ申し込みに行ってみると、なんともいえない怪しげな雰囲気が漂っています。あの雰囲気は行った人にしかわかりません。マンションの一室や汚い雑居ビルにあることが多く、入り口はがっちり鍵がかかっており、インターホンで相手の名前を聞いてからでないと入れてくれません。 入るとそこには、いくつかの机と椅子と電話機と筆記具とカレンダーしか置いていません。閑散としていて、一見、何をやっている会社なのか皆目見当がつかない感じです。 従業員は若い男性が多く、スーツは着ているものの、茶髪にピアスだったり、腕からチラリとタトゥー(刺青)が見えたり、パンチパーマをかけている従業員が出入りしていたりと、何やら普通の雰囲気ではありません。

 まともな神経の持ち主なら、入った瞬間にすぐにでも立ち去ってしまいたい気持ちになるでしょうが、借りに行く人は、既に冷静な判断力を失っていて、「今日の午後3時までにあと○○万円調達しなければ! 利息が高いなんて言ってられない!!」 という気持ちに支配されていますので、業者の方も、そのあたりの心理を巧妙に突いてきます。

 例えば、午後2時頃まで客を引っ張っておいて、

「お客さん、今、仮審査にかけたんですが、ヨソでかなり借りてますね。 他にも隠してるでしょ?」

「これじゃあウチでは貸せませんね。」

「しかし、せっかく来てくれたんだ、ここは担当の私の面子にかけて、お客さんに貸せるよう努力しますよ。上司にかけあってみます。(といって、奥の部屋へ消える。何十分も 出てこないで客をじらす。)」

「上司もやっぱりダメだって言ってます。但し、これは私の独断なんですが、初回取引のときだけ、実績を積んでもらう意味で、○○万円までなら貸せます。 ただし10日で3割 ぐらいの利息になりますんで、領収書を出せないんですけど。」

「利息が高いのは今回だけですよ。実績を積んだら安くしますからね!」

「もし返済が滞ったら私の首が飛ぶから、絶対に期日を守って返済して下さいよ!」

 と、こうやって借りざるを得ないような状態に追い込んでいき、最後には10日で3割や10日で5割などという異常な金利でも、客の方から 「お願いします貸してください!」 と頼みこむようになってしまい、客は受け取った現金を握り締めて他社への返済に駆け回る…というのが一番よくあるパターンです。

 こういった闇金業者に返済できなくなると、そりゃもう大変な事になります。 奥さんやご両親へ取り立てが行ったり、勤務先や取引先への集金に来たり、白紙委任状で車や電話加入権の名義を変えられたり、期日無記載の手形や小切手を取り立てに回されたり、ひどい場合は監禁されて電話機を持たされ、監視が一人ついて、監視の見てる目の前で友人や知人に片っ端から「金を貸してくれ」と電話をかけさせられ、話がついたらベンツに乗せられてその友人の所へ借りに行かされる…なんて事もあります。 こういったひどい(非合法、犯罪的な)取立ての為に、毎年多くの方が自殺しています。

 闇金の被害から脱出するには、一般的には自己破産しかないと思われていますが、実は他にも有効な方法はいくつかあります。 なにしろ違法金利を取っているのですから、計算してみると、1ヶ月間「利息のみ」の返済を続けていたら、元金プラス法定金利分を返していた、なんて事もありますので、話し合い次第では債務免除やわずかな金額での和解なんて事も可能です。

 もちろん簡単ではありません。相応の覚悟がいります。 相当な痛みを伴いますので、最初から関わらないに越したことはありませんね。

 ちなみに話し合いを有利に働かせる方法をいくつか挙げると、−

(1)相手の素性をよく調べる: 最重要。例えば東京都の業者なら、都庁の貸金業登録課へ行き、相手の登録番号や称号、所在地などからコンピューター検索する。 すると、登録業者であれば、正式称号、住所、電話番号、登録番号、登録年月日、そして代表者氏名、代表者の住所や電話番号がわかる。これはプリントアウトできないので、その場でメモを取る事。これは訴訟や被害届を出す時にも非常に役に立つ。

* 最近はインターネットでも登録の有無、登録上の商号、法人経営か個人経営か、住所、代表者氏名、電話番号などが誰でも簡単に検索できるようになりました。 検索したい方はこちらへ。

  1. 金融庁 「登録貸金業者情報検索サービス」
    http://clearing.fsa.go.jp/kashikin/index.php
(2)警察に被害届を出す: 地域によっては闇金に非常に目を光らせている警察署もあるが、全国的にはまだまだ「民事不介入」「借りた金を返さないアンタが悪い」と一蹴されてしまう傾向があり、正直あまりアテにならないが、うまく警察が介入してくれれば、解決のスピードは一気に早まる。

(3)訴訟や調停を起こす: 「借りたものを返さないと言っているわけではない。返す気はあるが、資金的に余裕がないので、法定利息の範囲内で返したい。だから訴訟(調停)を起こした」 という理由で、裁判所で訴訟や調停を起こし、業者にそれを伝える。 闇金業者はこれを嫌がり、「利息は話し合いに乗るから訴訟を取り下げてくれ」 などとと言ってくる。これで実質的に利息が止まる。 後はあなた次第で、訴訟を取り下げて直接和解交渉してもいい。

(4)団体交渉する: ヤミ金交渉に強い団体(XXの会、XX道場など)に入って、会員さんと団体交渉に行くのが効果がある。 あるいは親しい友人などに立ち会ってもらってもいい。 利害関係のない第3者に立ち会われると、非合法業者も少しは合法的に話し合いに応じてくる。

 他にもいくつもの方法があります。これらを巧みに組み合わせて、応用させることができれば、自力で解決することは可能です。


メルマガ29号 (2001年12月27日発行)より抜粋。

■■■年利29.2%以上は犯罪である!■■■

「借りたものは返すのが当たり前。小学生でも知っていることでしょ!?」

「小学生でも借りたものは返しますよ!早く金を返してくださいよ!早く!!」

 これは、ヤミ金が取立てのときによく使う文句です。

 しかし、当たり前のことだけで世の中が通用するわけがありません。 このような脅し文句を使う人は、小学生レベルと言わざるをえません。 また、失礼ですが、この様な脅し文句にいちいち脅えている皆さんも、まだまだ小学生レベルと言わざるを得ません。 借りたカネは「返す」ものです。しかし、利息は「返す」ものではなく、「払う」ものです。 これを混同しているうちは、まだまだ小学生レベルですよ。

 気を悪くなさらないで下さい。私もつい数年前までは、小学生レベルの一人でした。 他の多くの皆さんも、きっとこの点については認識が甘いのではないでしょうか?

 借りた金でも、返さなくて良い場合があります。
 たとえ100万円借りて、一度も返していなくても、返さなくて良い場合があるのです。 一体どのような場合でしょうか?

 例えば、ヤミ金にあてはめて考えるなら、代表的なのは、出資法(年利29.2%)を超える高金利を取る目的で貸付が行なわれた場合です。この場合、法的には返済義務がありません。100万借りても、1円も返さなくても良いのです。
  なぜでしょう?

 キーワードは、「不法原因給付」(ふほうげんいんきゅうふ)です。

 民法708条には、「不法ノ原因ノ為メ給付ヲ為シタル者ハ其給付シタルモノノ返還ヲ請求スルコトヲ得ス」 とあります。 これは平たく言えば、「犯罪の手助けになるようなお金は、返還しないでも良い!」 というような意味です。

 出資法の上限金利は年29.2%です。(2000年6月以前は40.004%でした。) これは利息制限法の15%と違って、罰則が重く、刑罰の対象となります。 利息制限法は「民事」ですが、出資法は「刑事」です。破るとタイホされてしまいます。立派な犯罪なのです。

 この 「年利29.2%以上は出資法違反で犯罪であること」 は、警察の方も意外とあまり知らないようで、例えば、10日で1割(年利に換算すると360%以上)の暴利を貪る闇金業者を相手に「出資法違反」で刑事告訴しても、なかなか告訴状を受理してもらえないのが現実です。多くの場合、警察へ行っても、「借りたのは貴方なんでしょ?」 「借りた金は返すのが当たり前じゃないですか」「警察は民事不介入なんですよ」などと言われ返されてしまいます。

 私も含め、このような経験のある方は多いでしょう。

 まったくあきれた話です。何が民事不介入ですか!職務怠慢もいい所です。 私の経験上、地方の警察署では残念ながらほとんどがこの様な対応で、警視庁や闇金の多い所轄の警察署などへ出向いて、やっと告訴状を受理してもらえるといった有り様です。

 話を元に戻しましょう。
  • 出資法違反の高金利は犯罪である。 警察に被害届を出すべし。
  • 出資法を超える高金利で貸付を受けた場合、「不法原因給付」により、返済義務はない。
  • このような場合、借りた金を返さないアナタは悪くない。
 これが真実なのです。 小学生と大人ぐらい違いますね!?

 借りた金は返すのは、決して当たり前のことではなく、時と場合によりけりなのです。

 これを読んで、人によっては、「借りたほうも高利を承知の上で借りたんだから同罪じゃないか!」と憤慨される方も多いと思います。ごく当然の感情ですね。 しかし、多くの場合、高利貸しがダイレクトメールや新聞広告などで勧誘する際には、低金利を謳い文句に勧誘しているのです。そして、いざ借主が申し込みをする段階になると、いろいろ難癖をつけて、法外な金利での契約を要求するのです。しかも実に巧妙なやり口で、断われないように仕向け、何が何でもムリヤリ借りさせるのです。これが高利貸しの常套手段です。 この意味では、借りた人はまぎれもなく被害者です。

 また、百歩譲って、借りた人に落ち度があって、被害者と呼べないとしても、「貸す方も貸す方なら借りるほうも借りるほう」と決めつけて現状を放置するのは良くありません。 それではいつまでたっても出資法違反の高利貸しは減りません。 しかるべき立場にいる方々が、毅然とした態度で、出資法違反の超暴利業者を撲滅させるべく、運動を起こさなければダメだと思います。でないと、わが国はいつまでたっても金融犯罪者の温床のままです。

 警察も、弁護士も、司法書士も、クレサラ救済機関も、マスコミも、力のある方は皆、「出資法を超える高金利業者には、1円も返さないでいい」という頑なな姿勢で、被害者を救済すべきではないでしょうか。残念ながら現在は、それを実践している人は、弁護士、司法書士、ボランティア団体などを含め、ごく一部しかありません。警察にいたってはほとんど聞いたことがありません。弁護士でさえも、「不法原因給付」で戦ってくれる先生はごく少数です。 だから超高利の闇金融がこれほど異常繁殖するのです。 (闇金融の件数は2002年現在、都内だけで6000件とも10,000件とも言われています!)

 これを読んでいる皆さん、少しでも多くの人に、「借金は返さないでもいい場合がある」 ということを教えてあげて下さい。このことが広く知れ渡れば、ヤミ金融業者は儲けが少なくなり、自ずと消滅していくはずです。

(メルマガ 2002年10月号より抜粋)

■■■ 「090金融」 ■■■

 ここ1−2年、公衆電話や電柱などに、「お金貸します。090−XXXX−XXXX」 といった貼り紙が非常に目立つようになってきました。 いわゆる「090金融」というやつです。

 テレビや週刊誌でもよく取り上げられているのでご存知の方も多いと思いますが、090金融は、貸付金額は1−2万と小額(多くても5万以内がほとんど)、そして返済は、借りた金額の1.2倍−1.5倍以上に相当する額を、7−10日以内に返させるというものです。 7日で2割とか、10日で5割とか、ひどいものでは5日で10割とかいう超暴利です。 貸金業免許はまず持っていません。 契約書は取り交わさず、電話一本でカネを貸してくれますが、貸付のときに、家族親戚や職場の連絡先を細かく訊いてくるので、万一返済が滞ると、真っ先に家族、親戚、職場などに電話をかけて嫌がらせをします。 こうやって債務者を精神的に追い込んで、回収率を上げているわけです。 また、1件あたりの貸付額が1−5万と低いので、万一債務者に踏み倒されても、あまり痛手はありません。 少ない元手で、沢山の客に貸し付け、うまくリスク分散している訳です。

 こりゃ儲かるでしょうね。

 10日で3割の金利だとしたら、年利に換算して約1080%以上です。 1000万円の元手があって、それを1年中貸し出しして、全部回収できたら、1年後には1億円以上になる計算です。 もし半数の客に踏み倒されても、1000万円が5000万円になるわけです。 こんなに美味しい商売だから、もう貸したくて貸したくてしょうがないでしょうね。
 例え客が自己破産者でも多重債務者でも何でも。

 さて、この090金融、無免許で住所もわかりませんので、一体どのような人種が経営しているのか、あまりイメージがわきません。銀行口座も携帯電話の名義も、客から巻き上げたものなので、犯罪性が高いにもかかわらず、警察も犯人を特定するがなかなかできず、取り締まりに四苦八苦しているのが現状です。

 090金融は、非常に荒っぽい言葉を使って電話で取り立てを行ないますので、ヤクザと関連性があるように思われがちですが、実はその正体は、意外と一般人だったりします。普通の人が、金儲け目的で軽い気持ちでやっているのです。

 以下、私がネット上で主宰している会員制の情報交換サイト「猫次郎塾」の会員さんから、興味深い情報が寄せられましたので、一部抜粋してご紹介します。

≪ 情報1 − 東京都のNさんより ≫

> 090金融。先輩がやってます。根はいいやつなんです。お馬鹿だけど。
> ガバーっと稼ぐだけ稼いでやめる。と言ってます。
> 足が付きにくいから、おいしーんだよ。と言ってます。
> 「貸してよ。破産するからさ。」とふざけてみたら、
> 「馬鹿かよ、破産できるよーな奴に貸せっかよ!」だって。
> 2万、3万貸して、50万儲けだよ。だって・・・・
> 090は早急に対応しないと、ジゴクですな。
>

≪ 情報2 − 某県のBさんより ≫

> 090金融ですが、うちの近所のパートの奥様&その息子達もやっております。
> 手口としては携帯も銀行口座も債務者の物を取りあげて使うそうです。
> 東京都Nさんの仰せの通り 2、3万貸せば簡単に2、30万取れると言っていました。
> それで、債務者が「もう返せない」と泣きつくと 別の業者を紹介すると言って
> 息子を紹介するんですって。
> 親子で何やってんのよ・・・私が闇金被害ダイヤルに電話したらおしまいよ!
> って思いますが、根はいい人たちで、家族ぐるみで親しくしているから
> そんなことはできません。
> 今は暴力団じゃなくても、こんなフツーの主婦までもが手を染めているかと思うと
> 恐ろしい世の中になったもんだなぁ〜と思いますね。(この奥さんは自己破産者です)

 ・・・2、3万貸して、2−30万の利益ですか。そりゃ誰でもやりたくなりますよね。

 しかし、上手い儲け話には危険がつきものです。果たして、上記の090金融さんたちは、その後どのような末路をたどることになるのでしょうか?

 以下、Bさんからの続編投稿をご紹介します。

> 実はその後、090金融をやっている奥さんの息子が
> 暴力団に酷い目にあったと言っていました。
> それで、今その息子は暴力団がやっている本物の(?)090金融の
> 金銭回収のアルバイトを無料でやらされているそうです。
> 麻薬の売人もやらされているようだとも・・・
> 奥さんも「もうやめた」と言っていましたが
> 暴力団とつながりを持ってしまって、今後どうなるのか怖いと言っていました。
> 私も聞いていて震えがきました。今後この親子はどうなってしまうのでしょうか?
>

・・・みなさんも気をつけてくださいね。

(メルマガ 2002年11月号より抜粋)

■■■ 架空請求を受けたらどうすればいいか? ■■■

 日本人は、おそらく世界で一番じゃないかと思うくらい、請求されることに弱いようです。
でなきゃ、架空請求の被害がこんなに増えるわけがありません。
請求されると、その裏づけもロクに確認しないまま、払ってしまおうとします。
それがNTTの電話料金でも、クレジットカードの引き落としでも、架空請求でも。

 海外、たとえばアメリカでは、高校の家庭科の授業などで、そういうことを教えているそうです。
たとえクレジットカードの請求でも、請求内容を一字一句確かめてから払うべきかどうか判断しなさい、とか。

 請求に応じて素直に払ってしまうという行為は、一見問題ない行為に見えますが、大局的にみて、あまり良いこととはいえません。 相手が善良な人ばかりではないからです。 ともすれば、素直に請求に応じる人ばかりいたら、結果的に、犯罪者をのさばらせる結果にもなりかねません。 あなたは犯罪者をのさばらせたいですか?ノーですよね? だとしたら、「請求されること」について、いま一度、対応の仕方を見直してみてください。グレーゾーンで長年借りていたサラ金の督促しかり、ヤミ金の督促しかり、NHK受信料しかり。

 さて、本題です。架空請求対策です。

 これは簡単です。警察や消費者センターに相談するのももちろん良いですが、そんなことをしなくても、我々一般市民の個人レベルでも、じゅうぶん太刀打ちできます。

 あれこれ覚えるのは大変でしょうから、まず最初は、ひとつだけ覚えてください。

1. 相手の名前を調べる。

 第一歩はこれです。名前を調べてみること。
 たとえば、「日本特別債権回収センター」と名乗るところから、「特別回収通知」なる書類が送られてきました。なんだか小難しいことが書いてありますが、払わないと大変なことになるりますよ、まずはご一報ください、と書いてあります。こういう通知が来たら、まず最初に、その社名でネット検索などしてみてください。ちゃんとした業者なら検索エンジンにいくつか引っかかるはずです。何も出てこないようなら、実在する会社かどうか疑うべきです。これだけでも、半分以上は架空請求被害を防げます。

 次に、もし文書ではなく電話で請求が来たときの最重要ポイントですが、

2. 相手のフルネーム、連絡先、住所、などを聞くこと。

 振込み口座番号を聞くよりも、こっちを先に聞くのが「筋」でしょう? どこの馬の骨だかわからない相手に、根拠もはっきりしない請求に応じるなんて、バカ以外の何物でもありません。

 次に、もし精神的に落ち着きがあれば、

3. 根掘り葉掘り聞くこと。

 請求の原因は? いつ、いくら借りたものの請求か? どこで何を買った時の請求か? あなたは誰? どこの会社のどの部署のなんていう人? フルネームは? 電話番号とFAX番号は? なぜ携帯なの? 事務所に電話はないの? 電話じゃなくて正式に文書で請求出してちょうだい! 住所は当然わかっているんでしょう? 何、わからない?どうしてわからないの? あなたの上司を出しなさい! 上司を出せないなら、社長の名前を教えなさい! 電話じゃラチが明かないわ。ちゃんと根拠のある請求なら、うちに来なさい。会話録音しておくから・・・  などなど、ごく当たり前の、筋の通った質問を並べ立てればそれで十分です。 たぶん二度と請求してこないでしょう。

架空請求犯罪者は、自分が犯罪者だということを自覚して、自分の正体を掴まれないようにコソコソと金儲けしています。また、「数打ちゃ当たる」的な考えで、面倒な相手には二度と電話をかけず、取りやすそうなところへ集中してかけてきます。 彼らの最大の弱みは、「自分たちの正体を知られること」 です。これを覚えておけば、いろいろ応用が利くでしょう。

(2008年5月8日 書き下ろし)

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