ピンチはチャンス。大ピンチは大チャンス。
(2008年5月9日 書き下ろし)

◆ピンチはチャンス。 大ピンチは大チャンス。 小ピンチは小チャンス。

ピンチはチャンス。使い古された言葉ですが、これは真実です。私は経験的にそう感じます。

それどころか、ピンチの度合いが大きければ大きいほど、その影に眠っているチャンスも大きいものです。

大ピンチは大チャンスというわけです。

これは私の最近の口癖で、本にサインをするときも、「ピンチはチャンス! 大ピンチは大チャンス!! 吉田猫次郎」 などと書いているくらいです。

逆に、ピンチの度合いが低いと、チャンスも低くなります。小ピンチは小チャンスというわけです。

いくつか例をあげましょう。

1. 年収1000万円のエリートサラリーマンが、銀行から借りた500万円の残りの借金を、「返済が苦しいから債権放棄してくれ!」と要請した。

 → これはまず不可能ですね。いくら本人が苦しいと言っても、それはご本人の主観に過ぎず、客観的にみたら、年収1000万円のエリートサラリーマンなのですから、じゅうぶん返済能力があるはず。債権者側からみても、もし私が債権者だったら、「本人が拒むのなら、訴訟を起こして、給料を差し押さえれば、何年かかけて確実に満額回収できるぞ。退職金もあるだろうし。よし、これはいっちょ、法的回収でこちらの本気度を示してやれ!」 と考えるでしょう。そして実際に、満額回収できるでしょう。 これは厳しい言い方をすれば、甘えです。ピンチですらありません。「小ピンチは小チャンス」というわけです。

2. 年収ゼロの事業に失敗した自営業者が、銀行から借りた500万円の残りの借金を、「もうこれ以上は鼻血も出ない。生活費もない。1円も返せない。免除してはもらえないだろうか?」 と要請した。

 → これなら可能性はあります。客観的にみて、事業に失敗してスッカラカン状態で収入が一銭もないような人が、500万円の借金を、たとえ分割でも払えるわけがないことは、誰が見ても明らかです。また、年収ゼロで、売却できる資産も何もない人にとって、500万円の借金がいかに深刻かも、容易に想像できます。誰の目から見ても、これは大ピンチですね。 こういうときは、大チャンスが眠っています。なにしろ、債権者も内心「こりゃ回収できないな・・・」とわかりきっています。回収困難な債権のことを『不良債権」と呼びます。不良債権は、新聞や雑誌にもよく書かれているとおり、「処理」の対象になります。不良債権処理です。 いいですか?「処理」ですよ。「回収」ではないのですよ!新聞記事のどこを読んでも、 「政府は金融機関の不良債権処理を最重要課題とし〜」 とは書かれていても 「政府は金融機関の不良債権回収を〜」 とは書かれていませんよね。 そして、処理とはすなわち、多くの場合「償却」あるいは「損切り」を意味します。 損してでも切り捨てて、帳簿から消してしまおう、と・・・。 そして、その方法は、債権回収会社(サービサー)へ二束三文で債権譲渡するというやり方が多くとられています。なにしろ回収できる見込みの極めて低い不良債権ですから、簿価の額面どおりでなく、時価に換算されて、バナナの叩き売りのように売られます。 その度合いは、不良であればあるほど著しく、500万円の債権が1万円以下で譲渡されたり、1億円の債権が30万円(一山いくら)で譲渡されることも全く珍しくありません。もしそうなれば、債権譲渡通知を受け取った後に、サービサーと大幅な減額交渉のチャンスが巡ってきます。 「500万円を10万か20万円の一括払いにまけてほしい。残りの480万〜490万は放棄してほしい」 という交渉も現実味を帯びてきます。 不良であればあるほど。ピンチであればあるほど。 「大ピンチは大チャンス」というわけです。

3. 得体の知れない超悪徳ヤミ金業者から、1日3割(ヒサン)の利率で、命を担保にお金を借りた。返せなければ、マグロ漁船かホモビデオ制作会社か臓器売買業者に売り飛ばされてしまう。そういう約束をしてしまった。もうダメだ。かくなる上は夜逃げか自殺しかない。

→ 超大ピンチですね。 でも大丈夫です。 夜逃げも自殺もしないで下さい。 逆効果です。 これは超大チャンスなのです。 そう言い切れる根拠は、いくつもあります。 まず第一に、こういう不条理極まりない契約は、公序良俗に反します。公序良俗に反する契約は、民法90条では「無効」になります。 第二に、出資法違反です。出資法違反の金利も無効です。また出資法違反は重い刑罰の対象になるので、警察を動かせます。 第三に、こういう借金は、民法708条にある「不法原因給付」にあたりますから、利息はおろか、元金さえも返す義務がないと解釈できます。 要するに、法治国家たるこの国で、法律を普通に使えば、それだけで解決できるレベルの簡単な問題なのです。あとはやるかやらないかだけですね。 第四に、得体の知れない業者ということは、裏を返せば、自分の正体を知られたくないからコソコソとやっている業者であるといえます。つまり彼等は、いくら虚勢を張っても、実のところ、陽の当たる世界に出るのが怖いのです。自分の正体を知られるのが怖いのです。警察に捕まるのが怖いのです。もし、陽のあたる世界で自分の正体を知られて警察に捕まりそうになったら、ほぼ間違いなく、「和解に応じるから、頼むから穏便に済ませてくれ!」 とお願いしてくるはずです。契約も破棄してくれるはずです。 本気で警察と弁護士にお願いして民事・刑事両方で徹底的にやっつければ、それこそ、彼等を逮捕させて、民事上の不当利得金も返還させることさえ可能です。徹底的にやれば。 そのくらい、超大ピンチは超大チャンスなのです。


◆「頭を小学生並みに柔らかく」して、「逆のこと」をすれば、どんな逆境も乗り越えられる。

(準備中。5月10日にはアップする予定です。)
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