【借金して良かった! と思うこと 】

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さて今回は、長期間ブランクを空けてしまったリハビリも兼ねて、あまり専門的・具体的な話に入らず、もっとメンタルな話題を取り上げましょう。
私は5-6年ぐらい前までは、借金なんて一度もした事のない潔癖青年?でした。
まあ厳密にいえば、車をローンで買ったり、カードで買い物をしたりした事はあるので、借金経験ゼロとは言い切れない、キャッシングの様な、いわゆる現金を借りる行為は一度もした事がなかった。 高給サラリーマンで、ギャンブルも派手な遊びもやらなかったので、貯金も結構あった。 あまり挫折らしい挫折をした事もなく、たいていの場合、努力が報われて、勉強でも仕事でも、頑張ればそれなりの成果を得る事ができたので、周囲で仕事や受験や結婚などに失敗した人を見ると、「失敗者=だらしない奴」と決めつけてしまうような、とても傲慢な面もあった。
しかし、ホームページの体験記に書いた様に、ちょっとしたきっかけで借金ができてしまい、あれよあれよという間に貯金もなくなり、借金が膨れ上がり、気がついたら何千万もの高利の借金を抱え、誰がどう見ても破産か夜逃げしかない状態まで追い込まれた。
そして、とにかく悩み苦しみ、卑屈になり、一時は精神状態もかなりおかしくなり、思い詰めて自殺まで考えたことも何度かあった。自殺マニュアルや生命保険の契約書などもよく熟読したもの。
しかし、一人で悩むのをやめて、恥をしのんで周囲のいろいろな人にオープンに相談するようになってから、しだいに自分の悩みを冷静に分析できるようになってきた。また同時に、恥をさらすことで、性格的にもだんだん図太くなってきた。今では、お金の悩みぐらいで自殺するなんて考えられない。 (自分が死んだって、債権者も誰も喜んでくれませんしね…)
その後、とにかくがむしゃらに働き、同時に借金解決の為の情報収集と勉強を猛烈にしました。
借金解決のヒントになりそうな本(経営・財務・法律などの実務書から聖書や論語まで)を片っ端から読み漁り、借金の無料相談や法律相談のコーナーがあれば片っ端から出まくり、そうこうしているうちに、自分のおかれている状況を冷静に分析できる様になり、何をどうすれば改善できるかが解ってきた。 そしてそれを実行に移した。
こうした経験が、現在の私にとって、かけがえのない財産になっています。
まだ借金は残っていますし、改善しなくてはならない仕事上の問題も山積みですが、現在では胸を張って、家族や取引先の人に、「俺はこうやって借金の問題と正面から取り組み、自力で解決しようとしているんだ。この姿勢を見てくれ!」と、堂々と自分の生き様を見せる事ができる。 手前味噌ですが、借金地獄を体験し、それと戦う努力をしてきた事で、人間的に著しく成長できたと思う。
人間、失敗は誰にでもある。 成功をおさめたエライ人でも、多くは過去に何度もの失敗を重ねている。 大事なのは、「失敗しないこと」ではなく、「失敗したときに、それとどう向き合うか」 ではないでしょうか!? (メールマガジン12号より抜粋)

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