【ブラックリスト】

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よくブラックリストという言葉が使われますが、厳密に言うと、ブラックリストなるものは存在しません。

日本国内の金融機関が共有しているいくつかの個人情報機関があるのですが、これらに登録されている個人情報の中の、おもに長期延滞者や自己破産者、債務整理者などの記録を俗にブラックリストと呼んでいるにすぎません。 また、よくブラックリストを前科者のように思っている人がいますが、とんでもありません。 日本国内の金融業者が融資審査するときに見るだけですので、クレジットやローンの世話になるとき以外は、実生活上ほとんど何も影響はありません。

国内の主要な信用情報機関には下記のようなものがあります。
●CIC・・・クレジットカード系最大手。銀行系、信販会社計、流通系などを問わず、クレジットカードはまずCICを使っていると思って間違いない。(カードの説明書に書いてある)
●全銀協・・・全国銀行協会。 銀行のカードローンを長期延滞したり事故を起こしたりすると、5年間記録が残るが、律儀にも「記録が残りますよ」というハガキを送ってきてくれる。
●CCB ・・・クレジットカード系。クレジットカードの多くがやはり使用している。外資系や信販系が多い。一部の消費者金融も使っている。
●JIC・・・消費者金融系。 一部の商工ローンも使用。
●テラネット・・・銀行系から消費者金融まで全て。 2000年12月より稼動。 銀行は顧客のサラ金情報を調べるために、好んで使うところが増えてきているが、逆に武富士などサラ金系を中心に、テラネット猛反対して絶対加盟しないと言っているところも多い。

以前はこれらの情報機関は、相互の情報交換を、長期延滞者や自己破産者などのいわゆるブラック情報のみに限定して共有しあっていました。 (これをCRINと呼ぶ) このため、事故のない顧客については、相互の情報が全くわからず、例えばサラ金から借りていても銀行にはなかなかバレずに済みました。 しかし昨今では、テラネットという新しい個人情報機関が稼動して、金融事故のない人の借入情報(ホワイト情報)までもが、銀行系・クレジット系・サラ金系の垣根なく情報交換されるようになり、銀行にサラ金借入れの事実がばれやすくなってきました。
このため、たとえ事故がなくても、サラ金をつまんでいる人は住宅ローンを組みにくくなったり、クレジットカードを作りにくくなります。
また、テラネットが無くても、銀行にはサラ金情報をうまく引き出す方法があります。
たとえば、銀行がよくやっている無担保の小口ローンは、銀行が100%リスクを負っているわけではなく、信販会社や大手消費者金融が保証していることが多いことはあまり知られていません。表面上は銀行が貸していますが、実質的な審査は保証している信販会社や消費者金融が行っているので、うっかり申し込むと、その銀行にあなたのサラ金情報がばれてしまうこともあります。
個人情報機関に載っている情報は、本人にかぎり、無料で自分の情報を閲覧させてもらうことができます。 気になる方は、CIC、CCB、JICなどのホームページがありますので、そちらへ飛んで自分で調べてみてください。面白いですよ。 借入先名、融資枠、残高、事故の有無だけでなく、カード申し込みの有無も記録に残っているので、短期間に沢山カード申し込みをして落とされたなんていうのもわかってしまいます。 また、いつ、どこの会社が、自分の個人情報を調べたかもわかるので、どこのカード会社が細かくチェックしているとか、どこの会社が不正な調査をしているかも、ある程度推測できます。
私のまわりにはブラックリストに載っている人が大勢いますが、みなさん「実生活には全く不便していない」「会社経営上も問題ない」と口を揃えて言っています。 それどころか、「ブラックになってしまったおかげで吹っ切れた。 おかげで借金に依存しない体質になれた」 と喜んでいる人のほうが私の周りでは多いのが現実です。
また、これはあまり大声では言えませんが、ブラックになって1−2年でクレジットカードが作れたという人も結構います。 カード会社にとっては、個人情報というのは数ある審査項目の一つに過ぎず、その他の審査項目である収入や職業や資産などと合わせて「総合判断」しているので、ブラックだからといって100%審査NGになるわけではありません。

いずれにせよ、ブラックリストにはあまり神経質になることはありません。 それよりも、借金に縛られない生活を目指すことのほうが大切です。(メールマガジン26号より抜粋)

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