【利息制限法で再計算して借金を減らす】

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私は法律の専門家ではないので、「〜法」という言葉を引き合いに出して説明 するのはチョット抵抗があるが、実際、私も弁護士を使わないで自力で裁判や調停をいくつも経験し、自分で作った計算式や弁論も法廷で認められたし、 過去にボランティアで市民団体のクレサラ相談を受けていた時にも、随分この計算を手伝いった。したがって信憑性は高いと思って結構。 商工ローンやサラ金の場合、この方法で債務圧縮できる確率はきわめて高く、 私以外にも、何千万も借金をかかえて破産寸前だった人が、この方法で再計算して 調停を申し立てて一気に半額以下になったという例は数知れず存在する。 (取引の長かった人は、借金ゼロになった人も多い)

サラ金や商工ローンの金利は一般的に25-29%というところが多い。 2000年6月までは40%近くの利息を取っている業者もザラでした。 しかし、これは「出資法(上限金利29.2%、2000年6月までは40.004%だった)」 には違反してませんが、「利息制限法(上限金利15−20% サラ金なら18%)」 には違反している。出資法の上限金利を超すと罰則が厳しいので出資法はみんな守りますが、利息制限法は上限を超えても罰則がなく、また債務者が利息制限法以上の金利を「任意に払う」分にはかまわないというヘンな規定がある為、この 利息制限法と出資法の間の金利は俗に「グレーゾーン」と呼ばれ、サラ金をはじめ、信販会社も銀行系カード会社も平気で利息制限法以上の金利を設定している。

しかしこれは、裁判や調停に持ち込んで、「利息制限法以下の金利に引きなおして債務を確定してくれ」 といえば、たとえどんな契約を結んでいようとも、ほとんどの場合減額が認められる。 特にあなたが「利息制限法を知らないで契約した」と主張した場合、まず認められる。 (昔は認められない場合も結構あったが、現在裁判所に持ち込まれている案件ではほとんど認められる) 尚、利息制限法以上の借金は、過去の取引開始時にさかのぼって利息制限法内 に再計算されることも認められるので、過去に利息制限法以上に払っていた金利(以後「過払い利息」と呼ぶ)を現在までどんどん積み重ねて、現在請求 されている債務から差し引く事ができる。

実例をあげよう。
わかりやすくする為に、ごく単純な計算式でいきます。
あなたが日栄から1000万円返せ!と取り立てられていたとする。 取引年数は5年。金利は出資法改正前と現在とで違うでしょうから、仮に30%で ずっと借りつづけていたものとする。 その場合どうなるか?

金利計算の基本は、
(借りてる金額)x(利率%)x(日数)÷(365または366日)=(金利額)。

上記の日栄の場合、1年分の金利は、
(1000万円)x(0.3)X(365)÷(365)=(300万円)
つまり、年間300万円の金利を払ってきた事になる。

これが5年続くと、 (300万円)x(5年)=(1500万円)
そう、5年で1500万円もの金利を払っていた計算になる。 (これは極単純な計算方法で、実際はもっと多く払っている場合も多い)

一方、利息制限法で計算すると、100万円以上の上限金利は15%だから、
(1000万円)x(0.15)x(365)÷(365)=(150万円)
つまり、年間150万円の金利でいいという計算。

これが5年続くと、 (150万円)x(5年)=(750万円)ですね。

この、(実際に5年間支払った金利1500万円)から(利息制限法の5年分金利750万) を引くと、
(1500万)−(750万)= (750万円)

この750万円が、いわゆる「過払い利息」になる。

この5年分の「過払い利息」を、現在請求されている1000万円から差し引くと、

(1000万円)−(750万円)=(250万円)

そう。 1000万円請求されていたのが、250万円だけ払えば借金は合法的に終わり!!ということになる。
1000万円も払う必要は全くない。

実際には、借りて返して・・・を繰り返していることが多く、また金利も過去の出資法改正前は39%ぐらい取っている業者がザラにありましたので、1000万円を 5年も借りていると、5年分の過払い利息が1000万円前後になり、調停を立てたら 完全に債務ゼロとして認められた、という例が多い。

中には以前メルマガで紹介した様に、信販会社から28%で10年間借り続けていた人が、信販会社に金返せと訴えられ、一人で法廷へ出向き、「過去10年分の金利 計算を利息制限法に引きなおしてやってくれ」といって反論し、最終的には金を返すどころか、逆に信販会社から何十万円もの過払い金を返還してもらったツワモノもいる。

因みに、リボ払いや利息先取りの様な一見ややこしそうな金利計算でも、 基本は同じ。「いつ、いくら借りて」「いつ、いくら返したか」をひとつ ひとつ集計して、その1回1回を利息制限法に引きなおせばいい。 またそれらの「借りて返して・・・」に、明らかな連続性が認められれば、各回の過払い利息を次回の元本に充当していく作業をくりかえす事が認められますので、 より短い期間で貸し借りゼロになる事ができる(ちょっと難しいかな?)

例えば私も知っている実例では、サラ金50万円、年利39%で4年間借りていたのが、弁護士に頼んで債務不存在訴訟をやってもらって借金ゼロで和解できた人がいる。
(一銭も返済しないで和解できた訳だが、これは決して「踏み倒した」事にならない。 それまでに法外な利息をさんざん払い続けてきた訳だから、合法的な利息と元金分はもう十分に返した訳。 それが裁判所で認められた。)

過去の「いつ、いくら借りた」記録が手元になくても大丈夫。 借りている業者に頼んで過去の明細表を出してもらえばいい。 こういうものを請求すると、嫌な顔をして出し渋る業者も結構いますが、客から 要求されたら開示しなければならない決まりがあるので、もしどうしても出してくれなければ管轄の財務局に事情を話して指導してもらうようお願いすれば大丈夫。 あるいは明細のないまま裁判や調停をやって、裁判所で相手方に過去の明細を要求してもいいです。

最後に、調停について補足。 裁判所で配布している「特定調停」に関するパンフレットには、

『特定調停は、このままでは返済続行が難しい方が、債権者と返済方法等について話し合って、再建を図るための手続きです』 『費用も安く』 『難しい 法律知識もいりません』

などといったことが書かれいる。 実際、自分でやれば費用は数千円で済み(弁護士に頼むと1件2−3万x借入件数+αぐらい かかる)、難しい法律知識がなくてもでき、うるさい取り立てもパタリと止み、 数ヶ月かけてじっくり話し合いができるので、その間に生活の立て直しができる。 地元の都道府県の簡易裁判所(民事)へ行くと調停相談窓口があるので、そこへ行けば申し立て方法について丁寧に教えてくれる。 (メールマガジン第6号から抜粋)

注: 私の場合、30数社あった債務のうち、「特定調停」を申し立てたのは5-6社だけ。 これら全て、債務を利息制限法に引き直し減額してくれて、さらに将来利息ゼロで24-60回の長期分割する事にも応じてくれた。(感謝)

因みに、特定調停で解決しようとする債務者は最近非常に増加傾向にあるが、調停がベストとは言い切れない場合もある。 調停をやるとCICやCCB等と言った個人情報機関にリストが載るし(これはしょうがない)、また、いくら調停が自分でできるといっても、最低限の金利の勉強や自分の債務状況把握などができないと話しにならないので、勉強が必要。 また調停委員の中には債権者に味方するタイプの人もいるので、強い意志が必要。 自分で安くできるのは事実ですが、あまりナメてかからないほうがいい。 借金減額にラクな方法なんてないん。 何かを失う覚悟がいる。

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