【不渡りしを出しても経営再建できる】

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確かに不渡りを半年以内に2回起こすと、銀行取引停止というペナルティーだけでなく、債権者が一斉に回収につめかけてきたり、仕入先から信用してもらえなくなったり、どこからも資金調達(借金)できなくなったりして、事実上、事業継続はきわめて困難になる。 このため、フツーの経営者は、手形2回不渡りを出した時点で、その会社を整理してオシマイにしてしまう。 弱気な経営者は夜逃げや自殺などを考える場合もある。

しかし、世の中には手形2回不渡りを出しても、そのまま事業継続しようとするタフな(?)経営者がいる。 一体そんなことが可能なのか?
答えはイエス。 少なくともノーではない。

その根拠は、

1,手形不渡りになっても、会社登記まで抹消されるわけではない
2,銀行取引停止といっても、あくまで「当座預金口座」が消えるだけであって、「普通預金口座」のほうはそのまま残せる
3,手形を全く使用しない仕入れや資金繰りは十分可能
だから。

後はその経営者の腕と努力と気の持ち方次第で、会社存続は可能です。

私は専門家ではないので、自分の経験と過去に見てきた実例でしかお話しできないですが、そんな例は結構ある。

例えば、私の知人である工務店Aさん(東京都)の場合。

彼は業績不振が続いて資金繰りに行き詰まり、とうとう商工ローンやマチ金に手形を振り出して高利の借金をしてしまった。 そしてあっという間に負債が膨れ上がり、とうとう不渡りを立て続けに2回出してしまった。 しかし彼はそこで逃げ出したりせず、すぐに債権者(貸金業者だけでなく取引先全部)に不渡りになったことを報告し、これから迷惑をかけますと平謝りに謝り、その上で債権カットや分割払いを粘り強く頼み込んだ。 もちろんあちこちから罵声を浴び、取り立ても止まなかったが、それでも彼はへこたれず、一貫して低姿勢で謝り、少しずつ返すから勘弁して欲しいと頼み込んだ。 同時に、不渡りになっても仕事を継続させてくれそうな取引先に、片っ端から 「不渡りになったが、私は大丈夫だ。仕事を継続させてほしい」 と頼み込んだ。

そしてその結果、取引先の買掛金は一部免除、一部分割払い、一部出世払い(?)になり、銀行融資は長期分割払いに組み直すことで交渉成立、商工ローンもかなり減額してもらった上に長期分割払いに応じてもらい、マチ金も小額で和解成立。 また今後の仕事についても、粘り強く情熱的に交渉したおかげで、いくつかの取引先から支援表明を取り付けることに成功しした。 現在は売上こそ以前の3分の1以下に減ったが、それでも家族5人の生活費と借金返済費用ぐらいは十分稼いでいけるくらいに復帰している。

ここに至るまでに、不渡り発生日から2年近くかかったそうだ。 しかしこの間、彼は一切の法的債務整理をしていない。 調停も弁護士による任意整理も何もしていない。 また銀行に担保に入れていた不動産も差し押さえられていない。全て自力で問題解決していす。

彼は現在60歳以上になるが、すごい精神力と行動力。 日本は一度失敗したら再起困難といわれてるが、まだまだ捨てたものではない。

手形不渡りになったぐらいで自殺や夜逃げを考える必要はない。 まだまだ再起は可能。

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