【ヤミ金対策】

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注: 私が債務整理をしていた1999−2000年頃は、ヤミ金の事を「マチ金」「トイチ」「短期」「システム金融」などと呼んでいたが、2002年ごろからヤミ金が社会問題化し、「ヤミ金」という呼び方が定着してたので、私もこれに合わせて、2002年ごろから徐々に、違法金利を取っている業者の事をすべて「ヤミ金」と呼ぶようになりつつあります。ご了承ください。

年末になって、街金(闇金)業者の被害の相談が相次いでいます。
現在、東京都知事に認可を受けている金融業者は都内に6000件以上るといわれており、これらの大部分が、いわゆる違法金融業者(トイチ、トサン、システム金融、紹介屋、買取屋、車で融資、など)であると言われている。

彼等の手口は、昔も今もあまり変わりません。 スポーツ新聞やタウンページ、路上看板など、比較的広告費の安い媒体を利用して、「即日融資」「低利一本化」「ブラックの方でもOK」などと、誰でも気軽に安い金利で借りられるようなイメージのおとり広告を出して客を誘います。 また、大手サラ金や信販会社などから流出した顧客名簿を買取り、それを元にDMを送りまくり、やはり甘い広告で顧客を誘う。

広告では非常に親切で親身に相談に乗ってくれそうなイメージだが、いざ申し込みに行ってみると、なんともいえない怪しげな雰囲気が漂っている。あの雰囲気は行った人にしかわからない。マンションの一室や汚い雑居ビルにあることが多く、入り口はがっちり鍵がかかっており、インターホンで相手の名前を聞いてからでないと入れません。 入るとそこには、いくつかの机と椅子と電話機と筆記具とカレンダーしかなく、閑散としていて、一見、何をやっている会社なのか皆目見当がつかない感じ。 従業員は若い男性が多く、スーツは着ているものの、茶髪にピアスだったり、腕からチラリとタトゥー(刺青)が見えたり、パンチパーマをかけている従業員が出入りしていたりと、何やら普通の雰囲気ではない。

まともな神経の持ち主なら、入った瞬間にすぐにでも立ち去ってしまいたい気持ちになるだろうが、借りに行く人は、既に冷静な判断力を失っていて、「今日の午後3時までにあと○○万円調達しなければ! 利息が高いなんて言ってられない!!」 という気持ちに支配されているので、業者の方も、そのあたりの心理を巧妙に突いてくる。

例えば、午後2時頃まで客を引っ張っておいて、
「お客さん、今、仮審査にかけたんですが、ヨソでかなり借りてますね。 他にも隠してるでしょ?」
「これじゃあウチでは貸せませんね。」
「しかし、せっかく来てくれたんだ、ここは担当の私の面子にかけて、お客さんに貸せるよう努力しますよ。上司にかけあってみます。(といって、奥の部屋へ消える。何十分も 出てこないで客をじらす)」
「上司もやっぱりダメだって言ってます。但し、これは私の独断なんですが、初回取引のときだけ、実績を積んでもらう意味で、○○万円までなら貸せます。 ただし10日で3割 ぐらいの利息になりますんで、領収書を出せないんですけど。」
「利息が高いのは今回だけですよ。実績を積んだら安くしますからね!」
「もし返済が滞ったら私の首が飛ぶから、絶対に期日を守って返済してくださいよ!」

と、こうやって借りざるを得ないような状態に追い込んでいき、最後には10日で3割や10日で5割などという異常な金利でも、客の方から 「お願いします貸してください!」 と頼み込む様になってしまい、客は受け取った現金を握り締めて他社への返済に駆け回る…というのが一番よくあるパターン。

こういった闇金業者に返済できなくなると、そりゃもう大変な事になる。 奥さんやご両親へ取り立てが行ったり、勤務先や取引先への集金に来たり、白紙委任状で車や電話加入権の名義を変えられたり、期日無記載の手形や小切手を取り立てに回されたり、ひどい場合は監禁されて電話機を持たされ、監視が一人ついて、監視の見てる目の前で友人や知人に片っ端から「金を貸してくれ」と電話をかけさせられ、話がついたらベンツに乗せられてその友人の所へ借りに行かされる…なんて事もある。 こういったひどい(非合法、犯罪的な)取立ての為に、毎年多くの方が自殺しています。

闇金の被害から脱出するには、一般的には自己破産しかないと思われているが、実は他にも有効な方法はいくつかある。 なにしろ違法金利を取っているのだから、計算してみると、1ヶ月間「利息のみ」の返済を続けていたら、元金プラス法定金利分を返していた、なんてこともあるので、話し合い次第では債務免除やわずかな金額での和解なんて事も可能。

もちろん簡単ではない。相応の覚悟がいる。 相当な痛みを伴いますので、最初から関わらないに越した事はない。
ちなみに話し合いを有利に働かせる方法をいくつか挙げると、−

(1)相手の素性をよく調べる
最重要。例えば東京都の業者なら、都庁29階貸金業指導課へ行き、相手の登録番号や称号、所在地などからコンピューター検索。 すると、登録業者であれば、正式称号、住所、電話番号、登録番号、登録年月日、そして代表者氏名、代表者の住所や電話番号がわかる。これはプリントアウトできないので、その場でメモを取る。これは訴訟や被害届を出す時にも非常に役に立つ。* 最近はインターネットでも登録の有無、登録上の商号、法人経営か個人経営か、住所、代表者氏名、電話番号などが誰でも簡単に検索できる様になった。 検索したい方は↓へ。

東京都、貸金業者検索サイト (東京の業者のみ)http://www.taims.metro.tokyo.jp/sanrou/san_syoukou_1.nsf/ViewLenderListSeq/$SearchForm?SearchView
金融庁、貸金業検索サイト (全国) http://clearing.fsa.go.jp/kashikin/index.php

(2)警察に被害届を出す
地域によっては闇金に非常に目を光らせている警察署もあるが、全国的にはまだまだ「民事不介入」「借りた金を返さないアンタが悪い」と一蹴されてしまう傾向があり、正直あまりアテにならないが、うまく警察が介入してくれれば、解決のスピードは一気に早まる。

(3)訴訟や調停を起こす
「借りたものを返さないと言っているわけではない。返す気はあるが、資金的に余裕がないので、法定利息の範囲内で返したい。だから訴訟(調停)を起こした」 という理由で、裁判所で訴訟や調停を起こし、業者にそれを伝える。 闇金業者はこれを嫌がり、「利息は話し合いに乗るから訴訟を取り下げてくれ」 などとと言ってくる。これで実質的に利息が止まる。 あとはあなた次第で、訴訟を取り下げて直接和解交渉してもいい。

(4)団体交渉する ヤミ金交渉に強い団体(XXの会、XX道場など)に入って、会員さんと団体交渉に行くのが効果がある。 あるいは親しい友人などに立ち会ってもらってもいい。 利害関係のない第3者に立ち会われると、非合法業者も少しは合法的に話し合いに応じてくる。

(5)「御通知」を出す これについては、会員制サイトをご参照ください。自分ひとりでやってもなかなか効き目がある。

他にもいくつもの方法がある。これらを巧みに組み合わせて、応用させる事ができれば、自力で解決する事は可能。

最後に。 これを読んでいる闇金業者さんへ。
私はあなたたちの営業妨害をする気はありません。あなたたちを撲滅させようなどという大それた考えも持ち合わせていません。 ただ、私自身もそうでしたが、あなたたちに自殺や一家離散まで追い込まれている人が後を絶たないので、そういった人たちを放っておくことができず、このようにホームページで情報公開している次第です。 私は借金踏み倒しを奨励したことはありません。(その証拠に、安易な自己破産には一貫して反対しています。) 踏み倒さず、相手になるべく損させずに、なおかつ自力で借金地獄から脱出して、生活の再建を目指すための活動を啓蒙しているのです。 ですから、このメルマガを読んでも、気を悪くなさらないでください。「メルマガ29号 (2001年12月27日発行)より抜粋。」

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