【ヤミ金相談の現場から 】

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最近、またヤミ金被害者からの相談が増えてきた。
今年の1−2月頃は、テレビでヤミ金関係の特集が増えた為か、それとも警察が力を入れ始めた為かわからないが、随分減ったが、3月ごろから、なぜかまた急激に増えてきた。

被害の内容は、以前とほとんど変わっていない。 相変わらず、10日で3割前後の利息を取り、その証拠を残さず、暴力的な回収方法をとっています。 ヤミ金対策に無知・無防備な方は、法外な利息をむしり取られたあげく、最後には全く返済不能になり、不渡りを出したり、ひどい追い込みをかけられたりします。やっぱり怖いですね、ヤミ金は。

しかし、ほとんど知られていないことですが、実は、ヤミ金を静かにさせる事は、さほど難しくない。 トイチ、トサンの利息を止めて将来利息0%で和解するだけなら比較的簡単だし、また、これまでに支払ってきた法外な金利を現在の残元金と相殺して債権債務ゼロに近い形で和解する事も、不渡りを回避する事も、慣れた専門家なら、むしろ商工ローンや銀行よりも短期間にあっけなくできる。 また、専門家に頼らず、「自力」でやっても、しかるべき対処法を知っていれば十分太刀打ちできる。(それだけに、ヤミ金の超高利が原因で夜逃げや自殺をしてしまった人の話を聞くと、本当に残念に思う。)

問題は、「慣れた専門家」や「しかるべき対処法を教えられる人」が、余にも少ない事。

よく本やテレビなどで、「弁護士に相談を!」と言うが、ヤミ金経験豊富な弁護士事務所は、数が少ないし、殆が超多忙の状態。 腕の方は確かですが(「不法原因給付」「出資法違反」「公序良俗違反」などを主張し、あっという間に解決してくれる)、常に満杯で、一人一人じっくりと相談に乗れる時間はまずないと思う。

ヤミ金との折衝は、はっきり言って、汚れ仕事。 あまり割りに合わない仕事だと思う。 なので、引き受けてくれない弁護士さんが沢山いても当然だと思う。(引き受けるなら破産手続きなども含め全てセットで、という話になるのが普通。) ヤミ金と「戦ってくれる」弁護士さんは、全国的に見てかなり少数なのが現実。

弁護士以外の専門家も同じ事が言える。例えば司法書士さんでヤミ金対策に長けている方もよくテレビなどに出ているが、そんな先生はまだまだ少数であり、もし運良く見つかっても、たいていの場合、いつも依頼が殺到していて、新規案件を引き受けることはなかなかできない。

私の所には、ヤミ金に追い込まれているのに、相談に乗ってくれる専門家がどうしても見つからず、あちこちたらい回しにされて途方に暮れている方から、毎日のように相談がくる。 私としては複雑な気持ち。

警察の対応も、今の所ほとんど改善されていない。 明らかに出資法違反である証拠があっても、なかなか動いてくれないのが実情。

では、ヤミ金と戦うにはどうしたらいいか?
これはもう、自力でやるしかない。頼りになるのは自分だけ。 専門家をあまり過度にアテにせず、自分主導で、対処法を考え、行動する事。 警察や都道府県庁の指導課や裁判所などの利用しやすい部分をフルに利用して、自分で解決に導く。

全国的にヤミ金の相談窓口があまりにも少ない今、私はこれを強く推奨している。 著書にもたっぷりとそのノウハウを書いた。 そしてこれが、かなりの成果をあげている。
しかし、できれば、専門家の質と量がアップする事が望まれます。 実務の分野でも教育や啓蒙の分野でも。 (メルマガ 2003年3月号より抜粋)

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