【借金の悩みを、どこに相談すればよいか?】

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〜 弁護士? 司法書士? クレサラ団体? それとも私? 〜
借金の悩みは、なかなか他人に相談できないもの。 また、借金の相談に的確に答えられる人も非常に少ないのが実情。 一人で悩んでも現状を変えられる訳でもないし、誰か専門家に相談しなくてはいけないのはわかっているのに、どこへ相談していいのかわからない…みんな困っている。
本などには、「まず弁護士に相談を」 とか 「クレサラ専門の司法書士へ」とか、「XXクレサラ被害者の会へ」 などと、いろいろなことが書かれている。 実際の所、どこへ真っ先に相談するのがベストなのか、判断に迷う所。
そこで今回は、思い切って、私のところに寄せられた数々の情報から、それぞれの長所や短所、問題点、上手な相談方法、などをまとめてみたいと思う。

(1)弁護士
・やはり一番確実で、頼りになる。 総合的に見て最強。
・代理人として廷に立てるので、債務者自身が仕事を休んで裁判所に行く必要もほとんどない。 また、業者との折衝に悩む必要もな・いので、とっても楽。
・ しかし、あまりにも全て任せっきりになるので、自分が多重債務と戦っているという自覚が得られない場合が多い。このためか、後で・また多重債務を繰り返してしまう人も少なくない。
・中には(少数だが)300万円の任意整理に対して70万請求された例や、高利のサラ金と10年も取引があるにもかかわらず利息制限法引き直し交渉を全くやってもらえず一方的に自己破産手続きをすすめられてしまった例、商工ローン(残高700万、年利39%、取引4年)を任意整理してもらったところ、利息制限法で戦ってくれず、結局700万の残高がそのまま残って、それに弁護士報酬70万と将来利息(和解金)あわせて800万を50万x16回払いで和解、公正証書まで作られてしまった例など、少なからず聞く。 これは弁護士の良し悪しというよりは、他のいろいろな要素が絡み合ってこのような結果になっていることが多い。
・したがって、弁護士さんにお願いする時は、地元の弁護士会に問い合わせ、借金関係に強い弁護士を紹介してもらうことと、お願いするときに報酬や自分の希望(例:利息制限法で戦ってほしい等)を事前にきちっと確かめておくことが重要だと思う。

(2)司法書士
・最近はクレサラ専門の頼りになる司法書士が多くなってきた。 特定調停や自己破産手続きだけでなく、多重債務解決に導くためのいろいろな組み立てノウハウを持っているので、心強い相談相手になる。また費用も比較的安い。 但し、代理人にはなれないので、法廷で債権者と争うような場合は、債務者本人が直接出頭しなければならない。 このような場合、司法書士は、口頭でのアドバイスにとどまらざるを得ない。 要するに、本人訴訟に近い形になる。 しかし逆に言えば、自ら多重債務と戦っているという実感が味わえる。
・しかし他面、クレサラとは全く縁のない司法書士も多い。また、少数ではあるが、例えば商工ローンの債務不存在確認訴訟をクレサラで有名な司法書士さんにお願いしたところ、着手金を払って3箇月以上経っても訴状が出来上がらず待たされ、その間にひどい取立てに耐えたとか、不当利得返還請求訴訟(利息の過払い分を返してもらう訴訟)をお願いして、うまく100万円取り戻すことに成功したものの、報酬として50万以上の額を請求されたとか、そういう事例が私の周囲にあるのものも事実である。
・しかしこれも、事前に報酬のことをじっくり打ち合わせしなかった依頼人にも責任があると思われる。 要は(1)と同様、報酬と依頼内容について事前にじっくり打ち合わせて、納得のうえで委任すべし、という結論に行き着く。
・クレサラに強い司法書士の探し方は、やはり司法書士会などに問い合わせて紹介してもらうのが一番、だと思う(私のHPにもリンク貼ってあります)。

(3)クレサラ救済団体、民商、など諸団体
・程度にかなりバラツキがある。 例えば、弁護士さんや司法書士さんが運営しているクレサラ被害者の会などは、比較的かなり頼れる所が多いように見受けられるが、それでも地域や支部によっては、いいかげんな対応をしている所も(少数だが)ある。
・民商もそう。 全国に支部があり、会費はどこも同じで、サラ金や街金の多重債務、銀行ローンなどに対して、素晴らしい解決ノウハウを持っている支部もあるかと思えば、多重債務でも自己破産や弁護士紹介しかアドバイスできない心細い支部もある。 もともと多重債務のためだけにある団体ではないので、借金相談に対するアドバイスの質は、地域や相談員の質によって天と地ほどの差がある。
・自治体の消費生活相談コーナーのようなところも、残念ながらアドバイスの質は低いところが多い(と、私は感じる)。
・断定することはできないが、無料相談のところは、アドバイスの質が低かったり、親身になって相談を聞いてくれないことが多いように感じる。

(4)私みたいなコンサルタント
・これはアヤシイところが多い。 ひょっとしたら、この私も、アヤシイ整理屋かもよ(ニヤリ)。
・特に目立つのが、他社借り換え一本化を促すところ(実際には中小のサラ金や街金を紹介して一時しのぎさせるだけで何の根本的解決にもならない)や、ひととおり相談に乗って、「うん、自己破産がいいでしょうね。弁護士を紹介しましょう!」とか言って、何の具体的アドバイスもないまま相談料だけ取って、あとは弁護士を紹介して終わりというところ、その他、多重債務相談と称して法外な金利で融資する街金、紹介屋、倒産処理の過程で骨の髄までしゃぶり尽くす整理屋、乗っ取り屋なども多いので、疑い出したらきりがない。
・著書を多数出している有名コンサルタントや、テレビ雑誌に出演したことのある人でも、安心とは言い切れない。 非常に的確なアドバイスをしてくれるところもあるが、相談料がものすごく高かったりすることもあるので、やはり事前の確認が必要である。
…… このように書いてしまうと、100%安心して相談できるところはひとつもないじゃないか!! と言われてしまいそうですが、実際その通りだと思うべきです。 しかし、あなたの心がけひとつで、間違いのない相談相手探しをすることも十分可能です。 弁護士、司法書士、コンサルタント、どれを選ぶかは、はっきり言ってあまり問題ではありません。 それよりも、自分に合った腕の良い相談相手を見つけること、そして、変な相手に引っかからないことが重要。

そのためのコツは以下の通り。

<<確実な相談相手を見つけるための心得>>
情報源を沢山持て!
だが、情報に振り回されるな!
情報を選別できるだけの能力をじっくり身に付けよ!
相談相手(専門家)を過信するな! すがるな! (信頼関係は大事だが、それとこれとは別)
相談相手(専門家)に何を頼みたいのか、報酬はいくらなのか、何をどこまでやってもらいたいのか、事前に納得行くまで話し合え! 納得行かなかったらハッキリ断われ!
何にせよ、当事者意識を強く持たなければいけない。 自分の人生、自分の借金は自分でオトシマエをつけるつもりで、真剣に情報収集。

但し、そうはいっても、いつまでもウダウダと一人で悩んでいるのはもっと良くない事、多重債務を何もせず現状放置していては、いずれ最悪の事態に発展してしまうので、なるべく早めにアクションを起こすべき。 情報に振り回されてモタモタしている場合ではない。(メルマガ32号(2002年2月6日発行)より抜粋)

* 多重債務者で一番最悪なのは、
(1)悪徳業者にコロッと騙されてしまう人
(2)いくつもの相談相手(専門家)を転々と回りすぎて、結局いつまでたっても方針が固まらずに迷走している人
(3)何も考えず実行もせず、目先のことしか考えられない(それも真剣に冷静に考えられない)人
このようにならないよう気をつけて。

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