【弁護士費用(相談費用)をどうやって捻出するか?】

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質問:
「多重債務者です。10件、計500万借金があります。 毎月15万以上返済にあててますが、金利が高いので全く減りません。 このため、弁護士会の有料相談(30分5000円)に行く金もないほど金に困ってます。 どうしたらいいでしょうか? ちなみに月収30万、家賃8万、妻子持ちです。」

答え:
まず、あなたが自覚しなければならない事は、毎月15万円もの利息を、もったいないと思わないのか? その利息は、本当に払わなければならない利息なのか? 月15万円の利息と、5千円の弁護士相談料、どっちがもったいないか? 利息の支払いを、今すぐ止められることを知っているか? 現状のままでは最悪の事態を招く事を自覚しているか? よく考えてください。 現状を放置しておいても、傷口はますます広がる。 低利一本化しても返せる金額ではない。(低利でも利息は馬鹿にならない)
最良の方法は、利息をまけてもらって、長期分割で返済させてもらう「任意整理」や、「特定調停」、あるいは法的に借金を8割ぐらい免除してもらう「個人再生手続き」、あるいは法的に全額免除してもらう「自己破産」 と、常識的に考えたらこれらの方法しかない。

しかし、あなたが一人で考えて、これらのうちどれを選ぶべきか、判断できますか? できないでしょう?
だとしたら、一刻も早く、専門家に相談しなければ、取り返しのつかない事になる。

しかし、優れた専門家に相談しようと思ったら、なかなか無料というわけにはいかない。
ボランティアで無料相談をやっている所もあるが、一切無料で、懇切丁寧に、「的確な」アドバイスをしてくれる所は、残念ながらごくわずか。
(この「的確なアドバイス」というのが重要です) 多くの無料相談は、「弁護士を紹介する」といって、弁護士へ丸投げして、終わり。
従って、的確なアドバイスを得ようと思ったら、ある程度の資金が要るのが普通。 最低でも、弁護士委任なら着手金ぐらいは、本人訴訟や特定調停だったら裁判所印紙代と参考資料の書籍代と専門家への相談料ぐらいは欲しい所。
では、その資金をどうやって捻出するか?
身内から借りて調達するのも構わないが、私個人的には、一番のおすすめは、 「今まで毎月15万も払っていた利息を、暫定的に、一切支払うのをやめる。」 これです。
クレジットカードやサラ金の場合、利払いを1−2ヶ月止めても、せいぜい電話や文書での督促ぐらいしかないから、それだけ我慢すれば何も問題ない。
思い切って、利払い(というか、返済そのもの)を、暫定的に止めてしまう。
これだけで、月末に15万円浮く。 個人的には、これが一番おすすめの方法。
何も踏み倒すわけじゃなく、弁護士や裁判所を通じて、支払うべきものとそうでないものを白黒はっきりさせてから返済再開しましょう、という趣旨ですから、何も恥じる事はない。
しかし、支払いを止めている間には業者から督促の電話がくる。 この督促電話がどうしてもイヤな場合は、止める方法がちゃんとあるので安心してください。その方法とは、

(1) 弁護士委任の場合
これは簡単。 弁護士さんに正式委任し、「受任通知」 を出してもらえば、すぐに取り立ては止まる。

(2) 自分で調停や訴訟をやる場合
これも簡単。 自分で簡易裁判所へ行って特定調停手続きをして(調停手続きは1日でできる)、家に帰ってから各業者に、手紙かFAXか電話で「調停を申し立てました」 と言えば、その日から調停終了までの数ヶ月間、暫定的に一銭も支払わずに、取り立てを来なくさせる事ができる。

なぜなら、大蔵省通達・貸金業規制ガイドライン3-2-2(3)に、
「債務処理に関する権限を弁護士に委任した旨の通知、又は、調停、破産その他裁判手続きをとったことの通知を受けた後に、正当な理由なく支払請求することをしてはならない」 と明言されているので、例えばあなたが業者に、「特定調停を申立てました。事件番号(受領書番号)はXXXXX番です」 といった時から、業者はあなたに直接督促行為をしちゃいけなくなる。 もしやったら、所轄官庁(関東財務局など)から、業務停止などの厳しいペナルティをくらうの。
ちなみに、弁護士介入通知を業者に送ってもらうには、それなりの着手金を弁護士さんに支払わなくてはならないのは言うまでもない(負債総額の2%ぐらい。負債500万なら、着手金は最低10万はいる)。 しかし、この着手金も含め、分割払いに応じてくれる親切な弁護士さんもいるし、あなたの生活状況などによっては、法律扶助制度という、弁護士費用を国が負担してくれる制度もあるので、案ずるよりも、まずは直接当たってみましょう。
特定調停を自分でやる場合の費用は、自分で全てやるなら、裁判所の印紙代だけで済むので、1件当たり700−800円ぐらい。 例えばサラ金10社なら7−8千円ぐらい。 安さではこれがナンバーワン(確実性の意味でも、ちょっとしたコツを覚えれば、利息制限法引き直しと将来利息カットと長期分割返済がかなり高確率で達成できますのでおすすめ)。 その気になれば、明日にでも申立てできるほど、手続きは簡略化されている(決して簡単というわけではないが…)。
自分で書類を書かず、司法書士さんに特定調停の申立書類作成を頼む場合は、サラ金1件あたり2−3万円位といったとろでしょうか。しかし10件もあれば多少は割安にしてくれる事もあるので、これも自分で当たってみましょう。 中にはビックリするぐらい良心的な所もありますから。
いずれにしても、多重債務は、多少相談料を割いてでも、専門家に相談するべき。(メルマガ33号より抜粋)

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