【借金自殺の統】

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<2004年 自殺者統計> 2004年7月23日  

・今年も警察庁の自殺者統計発表があった。(7月22日) 昨年1年間の全国の自殺者は3万4427人で、前年より2,284人(7.1%)増え、統計を始めた1978年以降最多になったことが22日、警察庁のまとめで分かった。 働き盛りの40、50代の男性を中心に「経済・生活問題」が動機の自殺が激増、初めて8000人を超えた。
・動機別では、借金や生活苦、失業、事業不振など、経済的な問題で命を絶った人が、4、50代の働き盛りの人を中心に前年より千人近く増え、8,897人にも達した。
・都道府県別では、最も多かったのが東京(2,967人)、続いて大阪(2,180人)、北海道(1,745人)、神奈川(1,640人)、愛知(1,633人)の順。少なかったのは鳥取(172人)、次いで徳島(204人)、香川(258人)の順。
・ 上記の自殺者の34,427人というのは、死亡診断書に「死因=自殺」と書かれた人数でカウントされた人数。実際他にも、自殺だと思われるが遺書がなく死因が不明のもの(急性心不全などと書かれることが多い)が数千〜万単位でいそう。(死亡者の総数は年間約100万人)
・統計に出てこない部分では、自殺未遂者がこの倍ぐらいいてもおかしくないのでは?と推察。
・自殺に走らない代わりに、失踪やホームレス、犯罪などに走る人も、自殺者並みかそれ以上に多いかもしれません。ちなみに、総務省の平成14年の統計では、ホームレスは推定336万7千人 (路上生活者7万5千人、車上生活者23万6千人、廃屋生活者5万6千人)、完全失業者348万人、生活保護世帯数88万3千人、刑務所収容者数 8万2000人(収容率113%)、精神疾患387万人、という数字が出ている。この中にも、借金苦が原因でこのようになってしまった人は相当多いでしょう。
・ 海外諸国と自殺率を比べても、日本はトップレベル。 が、年齢層別に比較してみると、日本の10−20代の自殺率はアメリカよりも少ないのに、中高年層の自殺率は世界中で日本がダントツに高いという統計も出てい。
・総合してみると、借金苦による自殺者の数は、警察庁の統計の8000人よりもはるかに多い1万人以上ではないかと思われる。これに自殺未遂者を加えると・・・ちょっと想像がつかない。3万人か5万人ぐらいいるかもしれない。
・私は借金自殺者の遺族や自殺未遂経験者と接する事が多いが、実感として、これらの統計数字よりもはるかに深刻だと思っている。その原因は、景気の低迷よりむしろ、以前からここで書いているように、「無知・無防備」 によるもののほうが大きいような気がする。 日本経済の底辺を支えている零細企業・個人事業の経営者のほとんどは、経済危機に瀕したときの自己防衛策を知らない。学校でも教えてくれませんし、周囲の仲間にも聞きづらいのが実情。 何度も書いていますが、日本では借金の話題とセックスの話題はどこでもタブー視されがちで、学ぶ機会がない。悩んでいる人は数え切れないほどいるのに、相談できる場所がない。相談場所も情報源も数年前に比べて増えてきましたが、それでもまだまだ量質ともに十分とはいえない。これが最大の問題だと(私は)思っている。
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