やらなければならないことは沢山あった。 まず事業を再編して、売上高を上げると同時に利益率の高い商売に特化しなければならない。 利益が薄くリスクの伴う商売を極力排除しなければならない。
経費をとことん削らなければならない。 家族が一丸になって、同じ目標(=借金返済)に向けて共に協力しあわなければならない、等々。 何よりも優先すべきは、利益率の高い商売を少しでも増やすこと。
そのために、前の会社で私が担当していた取引先の中で、最も私と個人的に親しくさせてもらい、しかも利益率が飛びぬけて高かった相手先との商権(数件)を、まるごと私の仕事として持ってきてしまった。
この仕事は、私が前職の中で自分で開拓した仕事で、私がいなければ継続が難しい内容のものだったので、会社も比較的すんなりと許してくれていた(会社の上司には私が辞める本当の理由を打ち明けていたので、ひそかに応援してくれていたという事情もある)。
その仕事の内容についてはここではあえて触れないが、在庫リスクゼロ、粗利率30-45%、年間売上高1億円程度を見込めるものだった。 したがって、順調にいけば1年間で3000-4500万円の利益を上げられるので、そこから販管費を1000万円以下に抑えれば、年間2000-3500万円を返済に充てられる。
うまくゆけば、2年以内に全額借金返済に成功し、3年目からは人を数名雇ってさらに事業拡大し、財務体質もどんどん強化できるのではないか、と楽観的に考えていた。
この時点では、私は今の借金を「稼いで返す」ことしか考えておらず、そのバカ高い金利を圧縮しようとか、金融業者と交渉しようなどとは全く考えてもいなかった(そういう法律知識も金融知識も無かった)。
私も両親も、今までカードやローンの支払を一日も遅らせたことはなかったし、一日でも遅れるととても恐い目にあうのだと、漠然と思っていたので、とにかく契約で決められた借金は、どんなに無理してでも、1日も遅らせることなく返済していた。