【自己破産について】

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昨年(平成12年)の自己破産申し立て件数は、なんと14万人を突破。
これは平成11年の12万人、平成10年の10万人を大きく上回る、過去最高の件数である事は言うまでもない。 バブル期は年間2万人にも満たなかったそうですので、ここ2−3年がいかに異常な事態かわかる。 今年はさらに増え、15−16万人を軽く越えることが予想されている。

自己破産は借金に悩む人たちにとって最後の手段であり、大変便利な制度。
なにしろ、全ての借金を合法的にチャラにできるのだから、今まで地獄の苦しみを味わっていたのがまるでウソのように、一気に借金生活から開放され楽になる。

私は自己破産には決して肯定的な方ではないが、かといって否定的でもない。 弁護士さんが多重債務者にしきりに自己破産を勧めたがる理由もよくわかる。
しかし、どちらかというと、私は自己破産にあえて否定的な態度をとっている。
私が自己破産にやや否定的な理由は、

近年、あまりにも安易に自己破産してしまう人が多すぎる。
借金が膨れ上がってしまったのは、少なからず自分に責任があるのだから、この際とことん自分の借金生活を見つめ直して、痛い思いをして、懲りに懲りたほうが、後々で借金体質を繰り返さない。 (安易に自己破産を選んだ人は、後でまた借金体質を繰り返してしまう人が多い) だから安易に自己破産を決めず、まずはいろいろな方法を模索してほしい。
自己破産しなくても解決できる場合が意外に多い。 たとえば、サラ金や商工ローンから10年も借り続けている人なら、わざわざ自己破産なんかしなくても、特定調停で利息制限法に引き直してもらうことで、元金がゼロになる確率が高い。 中には借入年数5年程度でも計算上ゼロになる場合も多い。 特定調停なら、自分で手続きすれば数千円の費用で済むし、踏み倒さず元金+法定金利をきちんと払った上で大幅減額できるので、債権者に損をさせることもないし、借金を踏み倒したときのような後ろめたさを感じる必要も無い。
・・・と、こんな理由。

少なくとも、ある程度安定収入のある人や、将来性のある商売を持っている人、高利の借り入れ年数が5年以上ある人は、安易に自己破産を決めず、いろいろ情報収集して、他の方法も考えるべきだと思う。

一方、私が自己破産に肯定的になる場合もあるが、それは、
将来の収入の見通しが全く立たない場合。
真面目な生活をしていたが、止むを得ない理由で借金が膨らんでしまい、しかも借入年数が短く、利息制限法に引きなおしてもあまり元金が減らず、収入に対して債務が非常に高額で、明らかに返済不能な状態にある場合。
精神的にとことん追いついめられていて、金融奴隷と化している場合。
社会的、肉体的に弱い状態にある人。(老人、資産なしで無職の方、病人など)
・・・と、こんなところでしょうか。

自己破産は法的に認められた立派な制度ですから、何も卑屈になる事はない。
どうしようもないと判断した場合は、堂々とやってください。
全てを犠牲にして、無理に無理を重ねてまで返す必要はない。

自己破産は生活をリセットするには最強の方法。
全くゼロからの再出発をすることができる。
これはこれで、ひとつの選択肢として良い方法だと思う。

しかしそれでも、「自分には本当に自己破産しかないのか!?」 と、とことん考え抜く必要はあると思う。

(注) 私は自己破産手続きの専門家ではありません。 逆に、自己破産しないで借金地獄から脱出するための知恵を日々探究する、極めてあきらめの悪い借金コンサルタントです。(笑) したがって、自己破産に関する細かい質問は受け付けられません。 自己破産に関する資料は、書店や図書館などで簡単に手に入りますので、御自分で研究してみてください。(メールマガジン27号より抜粋)

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